ニューヨークでミュージシャンとして活躍する一面、自閉症の子供と向き合う現実との戦い
by gakuandben
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タケカワユキヒデさんから推薦を頂きました!
 「自閉症の子供を持つ親が勇気づけられるだけでなく、自閉症のことをよく知らない人たちにとっても、とても意味のあるエッセイだと思います。
 また、生のニューヨーク事情も知ることもできる。なんとも、幾重にもお得な素晴らしいエッセイです。

プロフィール
高梨 ガク
64年東京生まれ。ベーシスト。18歳でプロ・デビュー後、90年に渡米。ソウル、ジャズ系の音楽を中心に幅広い音楽活動を続ける。ポリスターより自己のバンド
『d-vash』(ディバッシュ)”Music Is”が発売中。
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NOISY BOYS
そんな夏休みスペシャル第一弾として企画されていたのが、前々からのリクエストだった、ミュージカルの「プロデューサーズ」。元はベンが気に入って、春休みに行く予定だったのだが、人気のミュージカルだったこともあり、チケット入手が難しく断念していたのだった。

その間に映画化されたミュージカルがDVDとなり発売され、それを買ってみた弟も、生で見たいと言い出した。ベンにも「映画で見たから良いじゃないか?」と聞いてみるが、やはり本物を見たいと言う。決意は固いようなので、昼に行ったリハーサルの帰りに劇場のボックス・オフィスに寄ると、一番安い最後尾の列が空いていたので、当日券を買うことにした。

この空いている状態の最後尾の列というのは、重要なポイントで、逆にこの状態以外の席では、まだ少しベンには無理がある。前回初挑戦した、「ムービング・アウト」の時も、最後尾だったお陰で、随分楽に観劇することが出来た。というのも、ベンは座っているだけというのが出来ず、時々半立ちになってみたり、手を高く挙げてしまったりと、後ろの人に思い切り迷惑な人になってしまうからだ。

ミュージカルは2度目の挑戦だが、前回はビリー・ジョエルの曲に合わせて歌って踊るという、殆どロックコンサートのようなもので、静かになってしまう部分が少なかった。それに比べて今回のは台詞の部分も多いので前とはちょっと勝手が違う。ちょっと心配なその予感は的中し、休憩後の静かな会話の部分で、ベンは喋ってしまう。これは、完全に僕の失策によるものだ。

休憩前の席はバルコニーの後ろだったが、結構人が居た為にベンがモゾモゾすると周りの人が気になる感じの距離だった。大人しくしてはいたが、やはりストーリーを見ているというよりは、舞台セットの面白さや、歌と踊りの部分が楽しいようで、会話の部分になると持て余してしまうようだった。僕は休憩後に、前や横に誰もいない端にある一人がけの席を見つけて、ベンにそこに移るように言ったのだ。そこなら、モゾモゾしても周りの人を気にしないで済むと思ったからだ。

ところがこれは全くの逆効果で、周りに人に居ない自由を与えられたベンの動きは激しくなり、おまけに僕が少し離れて座っていたために喋り声が大きくなってしまったのだ。失敗したなと思った時は既に手遅れで、一番静かな会話のところで手足をバタバタとやりノイズを出し始めた。あわてて「Ben, be quiet ! 」と注意すると、今度は「Daddy, I have to be quiet, I am not noisy」と丁寧に答えてしまう。これは自閉症の典型的な会話のパターンで、何かを言われた場合にそれを完結させないと気がおさまらない「こだわり」によるものだ。

普段なら何のことは無い、この一往復の会話も、静かな劇場で会話のシーンとなるとかなりの時間と音量を占有してしまったように感じられて、心臓が止まりそうになりながら外に連れ出した。トイレに行って用足しさせながら、「ベン、劇場ではどんな場合でも、喋ったり、音を立てたりしてはダメなんだよ」と念を押してから、席に戻る。

その後は割と静かに見てくれて、何とか事亡きを得たが、やはり、過信は禁物、常に冷静に状況を分析しなければいけないなと実感させられた夜だった。

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by gakuandben | 2006-08-18 20:15 | 自閉症に関して
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