ニューヨークでミュージシャンとして活躍する一面、自閉症の子供と向き合う現実との戦い
by gakuandben
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タケカワユキヒデさんから推薦を頂きました!
 「自閉症の子供を持つ親が勇気づけられるだけでなく、自閉症のことをよく知らない人たちにとっても、とても意味のあるエッセイだと思います。
 また、生のニューヨーク事情も知ることもできる。なんとも、幾重にもお得な素晴らしいエッセイです。

プロフィール
高梨 ガク
64年東京生まれ。ベーシスト。18歳でプロ・デビュー後、90年に渡米。ソウル、ジャズ系の音楽を中心に幅広い音楽活動を続ける。ポリスターより自己のバンド
『d-vash』(ディバッシュ)”Music Is”が発売中。
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4分間のチャンス
昨日は日曜日。下の子が8時から見始めたテレビはチャンネル5でやっている「ティーン・チョイス2006」という、特別番組だった。まあ、長い夏休みがだらけて来たころにこういった番組があるというのもいかにもアメリカらしいが、大人の目から見ると、ティーンのマーケティングに成功した人達に送るアワード番組という風に考えてもおかしくない程に、宣伝効果むき出しの賞が次々と送られてゆくという趣向のものだった。

ベスト・ムービーにはパイレーツ・オブ・カリビアンが選ばれ、ジョニー・デップが表彰台でスピーチをするといった具合で、お約束の連続で番組は進んでゆく。ブリトニー・スピアーズがマタニティ・ドレスで登場したのは、さぞかしティーンの性教育に役立ったことだろう。

ところが、ある賞の紹介でプレゼンターの語調が急に真面目くさくなる。こちらも話を真剣に聞き始めると、何とそれは自閉症の高校生がバスケットの試合で天才的な才能を発揮したという話だった。

番組で生徒の撮影したビデオを流すと、それは確かに奇跡のような出来事だった。試合最後のたったの4分間の間にスリーポイントラインの外側からのシュートを次々と決めてゆく。僕は良く知らないのだが、バスケットでは、ゴールからの距離によって得点が異なり、離れた距離からシュートなので得点はすべて3点、それを6回も決めたというもので、会場は選手、観客を含め、大変な興奮状態に包まれていた。

番組ではプロバスケットボールのスター達が、その少年の偉業を検証する。彼がシュートした距離と同じ位置からシュートするのだが、皆5分の1程度の確率。そのシュートがいかに神業がかっていたものだったかがわかる。

この少年、ジェイソン・マケルウィン君はその高校の特別学級に通っていて、2歳の時点で自閉症と診断され、5歳までは言葉が出なかったそうだ。僕は彼がどの程度の自閉症なのか興味津々でいると、プレゼンターは彼をステージに呼び出した。「ティーン・スポーツ・アワード」が送られたのだ。

会場から、ステージに駆け上がったジェイソン君は大きな歓声にも耳を塞いだりすることもなく、チック的な行動も無い軽度の自閉症と見受けられる。話始めると、トーンがちょっと変わっている程度で、きちんと賞に対するお礼が言えているし、自閉症というよりは、自閉症に起因する学習障害者という感じに見える。

スピーチが終わるや否や、ステージにチーム・メイトが全員集合。喜びを分かち合うというエンディングでコマーシャルとなったが、下の子に聞いてみると「ああ、彼のことは知っているよ」との答え。ティーンの間で流行っているeBaum’s Worldというビデオ配信のサイトで「驚異の自閉症バスケプレーヤー」として話題になっているニュースだったそうだ。

この話は、まるで実際に起こったフォレスト・ガンプのピンポンのシーンのよう な感動のストーリとして伝えられ、実際に彼の両親のところには数社からの映画化のオファーが来ているそうで、今後の展開が楽しみなところだが、僕が最初に思ったことは、学校の生徒達のジェイソン君に対する心優しい姿だ。特別学級というだけで、辛い目に遭うことの多いであろう高校での出来事としては驚きだ。

さらに調べると、学校中の生徒がずっとマネージャだったジェイソン君が試合に出してもらえるかも知れないということで、応援をしに来ていたということもわかった。そして彼は毎日チームの練習が終わった後に一人居残ってシュート練習をしていたこともわかった。ジェイソン君だけでなく、彼を奇跡に導いた 周りにいた学校の生徒たちの愛情も同じように讃えたい。

ジェイソン君はこの試合の後に言ったそうだ。「人と違うと思っていたけど、今は決して違いを感じなくなった」。ひっくり返すと、友人たちも、違うと思っていたけれど、違いはなかったと思っているだろう。どんなレベルの障害者にも、こんな気持ちで接することが出来たらどんなに素晴らしいだろう。

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MSNBCニュースより
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by gakuandben | 2006-08-23 00:02 | 自閉症に関して
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