ニューヨークでミュージシャンとして活躍する一面、自閉症の子供と向き合う現実との戦い
by gakuandben
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タケカワユキヒデさんから推薦を頂きました!
 「自閉症の子供を持つ親が勇気づけられるだけでなく、自閉症のことをよく知らない人たちにとっても、とても意味のあるエッセイだと思います。
 また、生のニューヨーク事情も知ることもできる。なんとも、幾重にもお得な素晴らしいエッセイです。

プロフィール
高梨 ガク
64年東京生まれ。ベーシスト。18歳でプロ・デビュー後、90年に渡米。ソウル、ジャズ系の音楽を中心に幅広い音楽活動を続ける。ポリスターより自己のバンド
『d-vash』(ディバッシュ)”Music Is”が発売中。
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In your own sweet way
毎日接している我が子を冷静に分析、判断するのは難しい。家族というのは知らない間に自分の一部のようになってしまって、テレパシーのように何でも考えていることが伝わっているような気がしてしまうものだが、自閉症者が家族にいる場合は例外だ。

ミステリーに包まれた彼らの行動や思考は、親であっても簡単に読み取れる物ではなく、時間の経過に沿って変化しながら果てしなく続いて行く。

僕ら一般人とはまったく違った捉え方をしている場合もあれば、とても一般的な場合もある。結果は同じでも、その行動の理由が異なるという事もあり、ミステリアスな彼らの考え方を知りたいと思う気持ちは、僕以外のたくさんの親御さんも同じだろう。

最近、ベンがコンピューターで遊びながら、ノートに何かメモを書いている。元々2つの事を1度にすることが好きなベンは、インターネットをブラウズしながら、CDを聴いて歌を歌っていたりとか、本を読んでいるというのは当たり前の風景なのだが、書き物というのは後に残るので面白い。

後からノートを見てみると、そこにはベンにしては奇麗に揃った字で、映画のタイトルとPG13やRなどのレーティングがびっしりと書き出されていた。どうやら、DVD化された映画を検索して調べるうちに、記録することにしたらしい。
「ベン、これは何のため?」と聞くと、「I can watch PG13 movies because I am 13 years old」と言う。

13歳になったのが嬉しかったのか、確かに映画のレーティングには13歳という境目があったのだ。だからといって、ベンが最後まできちんと映画を観るということはあまりなく、観たいという訳でも無いと思うのだが、規制そのものに興味があり、それをクリア出来る年齢に達したという事も関係がありそうだ。

コンピューターの周りにはいくつかのノート・パッドが置いてあり、違うものを見てみると、今度は大きめの文字で「I don't want to dropout」(落第したくない)とか、僕が注意した事によるものらしい「I don't want to go bad stupid website」(劣悪なウエブサイトには行きたくない)などと書いてある。
 
これはベンがいつも口癖のように言っている事だが、文章にして確認したかったのだろうか。その他には、毎月のお小遣いで買う事の出来る本が、月ごとにリスト・アップされているページもあった。映画監督に関する本のシリーズを、全部集めたいと考えているようで、毎月ごとにどの監督のものを買うかが明記されていた。

彼の頭の中を少し覗けたような気のする出来事だ。

小さい頃からあまり「あれ買って!」的おねだりをしないベンは、誕生日にはこれを、クリスマスにはあれを、と言った具合に期限を決めている。期限に沿って何かが手に入ることは、突然何かを貰ってしまうよりも、ずっと幸せなことなのだろうと思った。

自閉症関連の本などで、よくある分析に絵がある。言葉の不自由な自閉症者が、絵を描く事で気持ちを表現しているというものだ。残念ながら、専門家でない僕には、ベンの描く絵のに隠されているメッセージは全く理解できない。

ただ、何を描いたのかという点から見れば、それはマンハッタンの摩天楼であったり、ベースやドラムを演奏するミュージシャンであり、母親や弟と一緒にいる自分だったりと、周囲の人や環境に対してのたくさんの愛情を感じ取ることが出来るのだった。

会話や、普段の生活では通じにくい彼らのメッセージが、書くことによってもっと多くの人に伝えられたらどんなに素晴らしいだろう。

汚れない心を持った彼らのメッセージを、僕は早く見たくて仕方が無い。


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by gakuandben | 2006-12-12 13:37 | 自閉症に関して
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