ニューヨークでミュージシャンとして活躍する一面、自閉症の子供と向き合う現実との戦い
by gakuandben
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推薦文・プロフィール
タケカワユキヒデさんから推薦を頂きました!
 「自閉症の子供を持つ親が勇気づけられるだけでなく、自閉症のことをよく知らない人たちにとっても、とても意味のあるエッセイだと思います。
 また、生のニューヨーク事情も知ることもできる。なんとも、幾重にもお得な素晴らしいエッセイです。

プロフィール
高梨 ガク
64年東京生まれ。ベーシスト。18歳でプロ・デビュー後、90年に渡米。ソウル、ジャズ系の音楽を中心に幅広い音楽活動を続ける。ポリスターより自己のバンド
『d-vash』(ディバッシュ)”Music Is”が発売中。
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You've Changed
ニューヨークの公立校の冬休みは短い。1週間ちょっとの休みに、盛りだくさんのこのシーズン、時間を持て余してしまうよ他の休みよりはずっと楽に感じる。あまり外が寒く無いのも良かった。

ベンはいつも休みになると行く事の出来る自閉症児のレクリエーションのサービスに行きたく無いと言い、クリスマスから始まったこの休みは昼間すっと2人の子供と一緒に居ることになる。僕にとっても久々にとても子供を実感する時間になった。

ベンは何かと楽しいこのシーズンをわかっているのだろう。クリスマスが終わっても、年末の街は何とも楽しい空気に包まれ、わくわくした気分にさせられる。こんな時にわざわざ屋内のリクリエーションに参加したくないのも良くわかる。

クリスマス・イブの午後に映画に関する博物館に連れて行った時には、イブのために通常時間よりも早く閉館してしまい、入ろうとすると中に人がいるのに鍵がかかっていて、ベンは怒って叫び出してしまうというハプニングはあったものの、人気の少ない場所であった事もあり、大事には至らなかった。しかしそういったハプニング以外でも、クリスマス前にはプレゼントへの期待や、周りの楽しげな雰囲気によって精神的に不安定になってしまう事もよくあるので注意しなければならない。

クリスマスの朝には予定していたプレゼントを貰い、大満足の様子。指定されていたプレゼントは集めている映画の本で、20ドル位のもの。ちょっと寂しいのでサプライズのプレゼントとしてポータブルDVDプレーヤーを付けておいたのだが、そちらは物を確認するのみで、封を開けるまでには至らなかった。彼にとって、物の価値は予定されていたものを受け取る事が優先順位なのだ。

ニューイヤーのパーティの仕事を終えた翌日、元旦にはニューヨーク州知事の就任式でのイベント参加の為に車で3時間程のアルバ二ーまで行く事になっていたのだが、妻は仕事に行かなければならず、2人の子供を連れてゆくことになった。

元日早々7時起きの出発となったが、3時間の移動行程ではポータブルDVDが威力を発揮し、2人共ハッピーな状態で現地へ到着。セキュリティー・チェックも思ったより簡単なもので拍子抜けしてしまう程。早めに着いたこともあり、就任式の一部を見たり、州立博物館を見たりと色々と普段出来ない経験をする事が出来た。

以前のベンなら、場所に飽きて来ると、ある時点から必ず「I have to go home ! 」と言い出すのだが、今回は僕の仕事のスケジュールを理解してくれたのか、一度も「Go home」パニックには陥らずにトータルで8時間近くを過ごしてくれたのが驚きだ。

実を言うと、ベンを連れて行くことに関しては、「早起き」「長いドライブ」「長時間の滞在時間」と苦手な事ばかりで、かなり心配していたチャレンジングな企画だったのだが、演奏中にも変わった行動もせずに大人しくしていてくれて、全てのプログラムを終えた時には本当に有り難く思えて、「ベン、今日は本当によく頑張ってくれたね。1日付き合ってくれてどうもありがとう」と握手をした。

2、3年前のベンの行動から、今日のような振る舞いをどうやって想像出来ただろうか? 10年程前に友人の結婚式の披露宴で、新婦の父で自らもダウン症の娘さんを持つ養護施設の校長先生が、ベンを見て「自閉症ですか。彼らは変わっていきますから。」と揺るぎない目をして言われていたのを思い出した。

思い起こせば、そんな経験の連続で今のベンがある。到底不可能だろうと思っていたことが、気が付けば可能になっているのだった。

変わってゆくことの素晴らしさと希望を与えてくれる、年の初めにふさわしい出来事だった。



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                        就任式に何気なく溶け込むベン
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by gakuandben | 2007-01-05 02:05 | 自閉症に関して
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