ニューヨークでミュージシャンとして活躍する一面、自閉症の子供と向き合う現実との戦い
by gakuandben
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推薦文・プロフィール
タケカワユキヒデさんから推薦を頂きました!
 「自閉症の子供を持つ親が勇気づけられるだけでなく、自閉症のことをよく知らない人たちにとっても、とても意味のあるエッセイだと思います。
 また、生のニューヨーク事情も知ることもできる。なんとも、幾重にもお得な素晴らしいエッセイです。

プロフィール
高梨 ガク
64年東京生まれ。ベーシスト。18歳でプロ・デビュー後、90年に渡米。ソウル、ジャズ系の音楽を中心に幅広い音楽活動を続ける。ポリスターより自己のバンド
『d-vash』(ディバッシュ)”Music Is”が発売中。
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困ったお金
自分一人で買い物をしたのは何歳の時だっただろう。小学校の3年くらいで駄菓子屋でプロ野球スナックやライス・チョコレートを買っていたから、きっと僕の中では10歳前には小遣いの中からどお菓子を買うかといった、計画を立てる「お買い物」のキャリアが始まったということになる。

ベンの弟も丁度そんな年頃で、週末になると1週間に1度貰えるお小遣いをでコミックやキャンデーを買ったりして楽しみながら使っている。

ベンはまだ一人で買い物をしたことは無い。お金を出せば欲しい物が自分のものになったり、キャンデーならば口の中に入って満足できるという事はわかっているものの、その過程でお釣りをもらったりとか、幾ら必要だとか、そういった部分はどうでも良くなってしまっているようなのだった。

それに加えて、残念ながら自閉症者に向かないのが、アメリカの通貨単位。ドルとセントという2つの単位があることで、ゼロをたくさん書かなくて良い分、混乱させられてしまうシステムなのだ。

1セントにはじまり、5、10セント、クォーターと呼ばれる25セントが主なコインで、何故かあっても良さそうな50セントコインというのはあるにはあるのだが、ほとんど流通していない。そして100セントが1ドルということになり、そこからはドルの世界となる。

ここが問題で、100セントが1ドルと名前を変えるところに自閉症であるベンが一番苦手な「置き換える考え方」が登場してしまう。

昨日の宿題はその部分についての学習で、2ドルにするためのお札とコインの組み合わせを4通り書きなさいというものだった。「Daddy ! please come here ! I need help !」と部屋で叫んでいるので行ってみると、悩んだ末の答えの欄にずらりと5や10、25コインの数字が書き並べてあった。

セントの単位だけや、ドル単位だけのそれぞれの足し算、引き算は問題ないのだが、100セント集まると1ドルに名前が変わるというコンセプトがうまく理解出来ていない。同じ理由で、時間で60分が1時間というのも難しい。

「ベン、25セントが4つで幾らだい?」と聞くとちゃんと100セントと答える。ところが「ベン、100セントが1ドルなんだよ」と教えた後に、100セント1ドルを足させるとベンの答えは101。見ていると、101と答えた時点でセントかドルかの単位はすっ飛んでいってしまっているようで、その部分はセントと言ったり、ドルと言ったりと迷っているのが伺える。

「そうか、単位の変わらない日本やヨーロッパなら問題無いのだが、これは面倒なハードルだな」と思い、弟の方に聞いてみると確かに分かりにくかったと言う。そういえば、僕自身もこちらに来た当初は混乱していた気がする。

特にベンの場合、視覚的に理解する部分が多く、硬貨が100セント分集まったところで1ドルという単位も違う「お札」に変わってしまうのは対応に困るのが当然だろう。学校の先生からも、クラスのたくさんの子が、ダイム(10セント)はペニー(1セント)と同じ大きさで、ニッケル(5セント)よりも小さい為に、コインの大きさに価値を惑わされてしまうという話を伺った。

イコールという考え方も不得意なので、絵に描いて説明するのもあまり効果が無い。今度は小さな箱を用意して、その中に100セント分の硬貨を入れ、その箱が1ドルなんだよという説明でもしてみようかと思っている。

生きて行く上で、一番大切な算数であるお金の計算を何とか身につけてもらいたいものだと思いつつ、駄菓子屋に行った頃と同じ様に、稼ぎの中から自分の好きな物を買うために預金残高を確認する毎日なのだった。


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by gakuandben | 2007-01-27 04:33 | 自閉症に関して
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