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ニューヨークでミュージシャンとして活躍する一面、自閉症の子供と向き合う現実との戦い
by gakuandben
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推薦文・プロフィール
タケカワユキヒデさんから推薦を頂きました!
 「自閉症の子供を持つ親が勇気づけられるだけでなく、自閉症のことをよく知らない人たちにとっても、とても意味のあるエッセイだと思います。
 また、生のニューヨーク事情も知ることもできる。なんとも、幾重にもお得な素晴らしいエッセイです。

プロフィール
高梨 ガク
64年東京生まれ。ベーシスト。18歳でプロ・デビュー後、90年に渡米。ソウル、ジャズ系の音楽を中心に幅広い音楽活動を続ける。ポリスターより自己のバンド
『d-vash』(ディバッシュ)”Music Is”が発売中。
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Dance to the Peace
子供達の学校が始まってみると、それはそれで色々な手間がある。特に学期の始まりは、数々の提出書類があり、その殆どに自分の名前と住所、電話番号、そしてサインを書着込むことになる。

これだけコンピューターも発達しているのだから、こういう所でデータ管理の威力を発揮してもらいたいものだが、そういうわけにも行かずに手書きのスタイルの書類になってしまうのは、子供を撮影した写真に対する肖像権に至るまで、親の許可が必要となる訴訟社会への対応が背景にある。

特にベンの場合、ピーナッツ・アレルギーを持っているので、もしもアレルギー反応が出た場合の薬の飲ませ方や、学校での応急処置への対応までもが明記されている書類にサインをしておかなければならない。

そんなの、そちらで判断して薬を飲ませるなり、病院に送るなりして下さいと思うのだが、宗教上の理由により、輸血がダメなどといった場合もあるのだろう。

とにかく2人合わせて10枚を超える書類にサインをし終わり、子供達の新学期はスタートしたわけなのだが、同時に宿題も始まり、昨日は早速、下の子の算数の宿題で質問の意味がしっかりと理解できずに2人で頭を抱えてしまった。

会話や普段使っている読み書きは、期待されている文章や会話が多いと違い、宿題の質問というのは以外に細かい部分を読み落とすことで大変な勘違いになってしまうことがよくある。ウチの場合は親も英語に弱い訳で、こうした質問は悩みの種だ。

体に悪そうなスクール・ランチや、体育の時間が少ないこと、公立のくせにやたらと寄付金を強要される事など、不満もあるが、気に入っている点も多く、今までの経験からスコアを付けるとすれば8/10というところだろう。

気に入った点の1つとして一番なのが、アート系プログラムで、シアターやダンス、ブラスバンド(これは有志)などの授業が課外活動ではなく、普通の授業として組み込まれているところ。

映画、「マッド・ホット・ボールルーム」はそんな授業の一部としてNY市のプログラムに取り入れられたボールルーム・ダンスのクラスをテーマに競技大会に出場してゆくまでの経緯を綴ったドキュメンタリー。

先日始めて見たが、今の公立小学校を生に感じられるとても素晴らしい映画だった。ドキュメンタリーが、まるでストーリーがあるかのように展開してゆく作りも、暖かみのある映像と、生徒達の純粋さがあってこそのものだっただろう。

同時進行してゆく子供達の放課後の様子が興味深く、アジア系の住む地域の子、ヒスパニック、白人、そしてアフリカン・アメリカンとそれぞれのライフスタイルが感じとれる。

印象的だったのは、宗教上の理由でダンスをすることが出来ず、DJの係になっていた子供がいたところ。ところが嫌々やらされているのではなく、インタビューされて答える様も本当に自然なもので、混在する異文化がうまくやっていけそうな一筋の光が見えた様にも感じられた。

この映画でダンスをしている子供達を見ていると、NYという街自体が世界中の人達が理解し合うための、モデル・ケースになることが出来ないものだろうかと真剣に考えてしまう。

違った文化を理解して、互いに尊重し合える教育、さらには、障害などの違った境遇にある人を理解できるようなやさしさにつながってゆけばどんなに素晴らしいことか。

学校のアメリカ人の父兄が僕に言った。「モスリムはクレイジーだ。教典で他の宗教を認めずに殺せと教えているんだ。だから、こんな事になったんだ。俺は子供をモスリムの家庭の子とは遊ばせない。」

下の子が去年同じクラスだった親友は、サウジ・アラビアから来ていた医学留学生の息子さんだった。何度か家に遊びに行かせてもらった彼のお母さんは、頭にスカーフをかぶった典型的なルックス。でも、子供の目には何の前情報もなければ、そういったルックスというだけだ。

宗教を持つ人達は、そのシステムの中での家族関係、生い立ちがあるわけだから、そんなに簡単にはいかないだろうが、他の宗教を尊重することは不可能ではない筈だ。

僕はそのお父さんに、「あなたが考えるのは自由ですが、子供には押し付けないでくださいね」と言ってやりたかった。せっかくの交流が、大人の先入観を吹き込まれることによって台無しになってしまうのが、ほとんどのケースで、結果として人種間のあつれきへとつながってゆく。

学校はそういうことを、取り除いてゆくことを一生懸命やっているのがわかる。こうしたアートのプログラムも、何よりも他を理解する為の大きな手助けになっていることに間違いない。



明日で9/11から5年が経つ。





Dance to the Peace_f0097272_13173182.jpg
















Tavern on the Green Central Park / NYC 
by gakuandben | 2006-09-11 13:03
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